20200430

コロナウイルスによる緊急事態宣言が出された事による自治体発信の外出自粛要請から相当期間が経過した。半世紀生きてきた自分でさえも人生初めての経験だし、誰にとっても未曾有の事態である。「未曾有」という言葉は2011年に使用されるようになって以来、再び耳にする機会が増えた言葉だ。共に戦後の日本が経験する「未曾有の事態」ではあるが、コロナウイルスは日本全体(全世界)を覆う災難でありながら、罹患者とそれ以外が不規則に分布する状況であり、局所的であった東日本大震災とは異なる状況である。

今回個人的に気になったのは専門外でも専門家然とテレビで振舞うキャストもさることながら、SNSでヒステリックかつ他罰的な投稿が此処彼処から発信された事だ。

私よりも人生経験豊富で写真人生も長いお歴々が乏しいボキャブラリーで政府を批判し、更には個人の主義主張を貫く為に(医療と同様に)逼迫するロジスティックに更なる負荷を掛けることも厭わない身勝手な行動に出ようとしていた。

いや、政治への不満があるならぶちまければ良いし、その行為をブロックしたりミュートはしないし、マスク配布の見込まれた効果も分からないけれど、「日本丸」が原因不明の浸水中に、沈没を回避する手当たり次第の手当てを、否定する気持ちを持ったとしても、まずは現況を乗り越えなければいけない。

「マスクの受け取り拒否する」という投稿に私は「身近で欲する人への譲渡は?」と問うたが「気持ち悪いから」という理由で送り返すと返答をもらった。新進女性写真家はフリーランスへの補償を見習うべきとする出所不明の他国の例や耳障りの良いたられば話をしきりにシェアしてシュプレヒコールを繰り返している。取引関係にある企業の社長も似たような事を続けている。

東日本大震災の時もそうだったが、本当に困窮し助けるべき人々はSNSで声を上げたり、無責任なシュプレヒコールを繰り返す余裕なんかないはずだ。せめて間接的にでも、情報だけでも、助けになりたいのならば見苦しい自分のタイムラインを見返し整理するべきだろう。

Thank you for your patience.